ドローンを用いた医薬品配送の実証実験

日時

365体育直播_365体育手机版5年3月30日(木)13:30~

株式会社ケーエスケー

和歌山県立医科大学

NTTコミュニケーションズ株式会社

ケーエスケー、和医大、NTT Com、ドローンによる医薬品配送の実証実験を実施~大規模災害の発生や地域医療におけるへき地への医薬品配送を想定し、ドローンの運用課題を確認~

 株式会社ケーエスケー(以下 ケーエスケー)と和歌山県立医科大学(以下 和医大)、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下 NTT Com)は、ドローンにより医薬品を運ぶ実証実験(以下 本実証実験)を和歌山県和歌山市で2023年3月30日に実施しました。
 本実証実験では、南海トラフ大地震発生のような大規模災害が発生し、陸路が利用できない場合や、遠隔医療と組み合わせた地域医療への貢献などを見据え、空路での医薬品配送の実用化に向けた課題の抽出や運用ルールについて検証を行いました。

飛行中のドローン
<飛行中のドローン>

飛行中のドローンが撮影した映像
<飛行中のドローンが撮影した映像>

1.背景

 和歌山市南部の和医大周辺は、南海トラフ大地震が発生した際に、2~5m規模の津波が到来すると予測※1されており、このような大規模な震災の発生により陸路が利用できない場合でも、医薬品を必要とする患者への供給が滞らない供給網の構築が求められています。
 このような中、3者はドローンを活用した医薬品配送の可能性を検討してきました。
 ドローンの飛行においてはこれまで、操縦者が機体を目視せずに住宅地などの有人地域の上空を飛行する「レベル4」と呼ばれる「有人地帯における目視外飛行」は実施することができませんでした。しかし、ドローンに関する技術の向上と、物流などの利活用への需要と期待が高まっていることから、国土交通省より「航空法等の一部を改正する法律」が2022年12月5日に施行され、新たに「(1)機体認証制度」、「(2)操縦者の技能証明制度」、「(3)運行管理のルール」の基準を厳格に設けることによって、2023年以降を目途に「レベル4」飛行の段階的な飛行実現を可能とするロードマップが示されました※2。このような背景を受け、本実証実験では、ドローンによる医薬品配送の可用性を検証するとともに、運用課題の抽出を行いました。

2.本実証実験の概要

 本実証実験では、近畿地方に根差した医薬品卸業者であるケーエスケーが、和医大から医薬品の発注を受けたことを想定し、和歌川河川公園テニスコートから病院内施設屋上まで、ドローンにより偽薬を配送しました。

配送ルート

配送ルート

各者の役割

ケーエスケー

  • 医薬品の適正流通ガイドライン(GDP)のノウハウ提供
  • 医薬品卸目線(供給者)でのプロジェクト参画

和医大

  • 医薬品受領対応
  • 医療機関目線(受領者)でのプロジェクト参画

NTT Com

  • ドローンベンダーとの連携
  • 「LTE上空利用プラン」の提供
  • ドローン運航支援(ネットワーク品質の確認)
  •  AI顔認証ソフトウェア「SAFR」※3の提供
  • 温度センサー、加速度センサーの提供
  • かんたん位置情報サービス※4による位置情報の提供

 

3.本実証実験における検証結果

  1.  輸送品質

    ドローン 保冷ボックスの内部には温度センサーと加速度センサーを搭載し、内部が適切な状態で輸送できているかを確認しながら、和歌川の上空を通過する「レベル2」の飛行カテゴリにて、7分36秒で約1.5km離れた和医大図書館棟屋上まで配送しました。

     
  2. ドローンによる顔認証 顔認証による受領者確認
     到着したドローンから、病院関係者が偽薬を受領する直前に、AI顔認証ソフトウェア「SAFR」を用いて顔認証による受領者認証を行い、病院関係者が適切に受領していることを確認する仕組みを取り入れました。