電位依存性Na+チャネルの意外な構造と分子間相互作用の発見!
発表日 |
365体育直播_365体育手机版5年12月19日(火)19:00~ |
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和歌山県立医科大学の入江克雅准教授、金沢大学ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)/新学術創成研究機構の角野 歩助教,WPI-NanoLSI/JSTさきがけ研究者の炭竈享司特任助教の共同研究グループは,電位依存性Na+チャネル(Nav)(※1)のこれまで不明だった室温で動いている構造を高速原子間力顕微鏡(高速AFM)(※2)によって解明し,さらに予期せぬチャネル分子間の相互作用の存在を発見しました。
電位依存性Na+チャネル(Nav)は生体の活動に必要な電位(活動電位)を発生するため,生体にとって不可欠な膜タンパク質です。そのため,Navの構造と機能の関係を明らかにする研究が広く行われてきましたが,細胞膜内で機能している際のNavの構造や,Nav同士の相互作用には不明点が多く残されていました。
このたび本研究グループは,室温でのタンパク質の動態観察が可能な高速AFMを用いることで,Navが閉じるとNavの電位センサーはNavから離れて二量体を形成することを解明しました。さらに,理論計算により,この二量体化は現実の神経においても起きうることを明らかにし,二量体化がこれまで不明であったNavの急峻な活動電位発生の分子実態である可能性を示しました。
これらの知見は将来,活動電位の波形の異常を修正する薬剤の一つの開発指針となることが期待されます。
本研究成果は,2023年12月19日午前10時(英国時間)に国際科学雑誌『Nature Communications』に掲載されました。