診療内容
当科が担当する疾患
当科では主として「造血器腫瘍」、「骨髄不全症候群」、「出血性疾患」、「後天性免疫不全症」を担当しています。
造血器腫瘍
白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫といった病気がこの中に入ります。
「なんとなく体の調子がすぐれない」
「顔色が悪いといわれた」
「歯ぐきからだらだら血が出る」
「首、わきの下、太もものつけねにシコリができた」
といった症状がおこります。
ほとんどの患者さんはいったんお近くのお医者さんを経由して受診していただくことが多く、「白血球が多い」、「赤血球や血小板が少なくなっている」、「リンパ腺が腫れている」、「血液の蛋白がおかしい」といった説明を受けられています。
骨髄不全症候群
再生不良性貧血や骨髄異形性症候群(一部)といった病気などがこの中に入ります。造血器腫瘍の症状に似て、
「体の調子がすぐれない」
「出血しやすくなった」
といった症状がでます。検査では「白血球?赤血球?血小板が全部少ない」といったことがおこります。
出血性疾患
特発性血小板減少性紫斑病や血友病といった病気がこの中に入ります。
「歯ぐきからの出血や鼻血がなかなか止まらない」
「打撲したところが赤あざになって消えにくい」
といった症状がでます。
検査で、
「血小板数が少ない」
「血液凝固系がおかしい」
といったことがおこります。中には膠原病の症状の部分症状として血小板減少がおこることもあります。
後天性免疫不全症
ヒト免疫不全ウイルス感染症による免疫不全症です。
「熱が続く」
「息切れがある」
といった肺炎の症状がもっとも多い初発症状です。血液検査では「リンパ球減少」といったことがおこります。
胸部レントゲン検査で「間質性肺炎」の所見が多くみられます。当科ではヒト免疫不全ウイルス感染症に対する治療を担当しています。
当科の診療方針
採血といった比較的簡単な検査でおおよその診断がついてしまいますが、どの病気も患者様の人生にとって重い病気ばかりです。我々血液内科のスタッフは患者様の納得が得られるような説明を心がけております。
当科で行っている高度な医療
- 骨髄移植
- 末梢血幹細胞移植
- 臍帯血移植
- 急性前骨髄球性白血病に対する亜砒酸(トリセノックス®)療法
- 急性前骨髄球性白血病に対する新規レチノイン酸(アムノレイク®)療法
- 急性骨髄性白血病に対する抗CD33モノクローナル抗体製剤(マイロターグ®)療法
- その他の分子標的療法
(悪性リンパ腫に対する抗CD20モノクローナル抗体(リツキサン®)療法や
慢性骨髄性白血病に対するキナーゼ阻害剤(グリベック®)療法など) - 再生不良性貧血に対する抗ヒト胸腺細胞免疫グロブリン療法
- フローサイトメトリーによる発作性夜間血色素尿症の診断